2023年4月で新規就農して10年目に突入するサス母です。昨今のコロナ禍で移住・田舎暮らしとか農業にご興味を持たれる方が増えているみたいですね。
しかし、実際どうやって農家を始めるの???って方も多いのではないでしょうか。ということで経験者として簡単にご説明していきたいと思います。
が、説明に入る前にこれだけは言っておきます。
「正直言って農家になるのはおススメしません!!」
自分でやってて何言っちゃってるの?って思われるかもですが・・・。
移住や田舎暮らしは満員電車で通勤しなくていいとか住環境がいいとか色んなメリットがあっておススメできます。
しかし、農家となると
①仕事が大変な割になかなか儲からない
②設備投資が結構かかる
③天候に大きく左右されるので自分の思い通りにいかない
というのが私の考えるやめておいた方がいい3大要素です。
(もちろん、大成功している人もいないわけではないのであくまでも個人の意見ですが・・・)
単に田舎で暮らしたいというのがメインであれば都会の会社に籍をおいて基本リモート勤務でたまに通勤というのが一番理想ではないでしょうか。もしくは、移住先でそれなりの勤め先を探すとか。田舎は生活費が都会ほどはかからないと言われていますが田舎ベースの収入体系になるともちろん入ってくる額も少なくなる訳ですからそこはよーく考えた方がいいと思います。
特に急に農家なんて始めてもいっぱしの収入を上げるのはかなり難しいと思います。
ちゃんとした勤め先を確保しつつ家庭菜園をたしなむ程度の方が色んな意味で絶対に楽ですよ。
とは言え、かれこれ9年も続けてしまった私・・・。なんでかと言うと
我が家の場合は柴犬のサスケを中心に生活が回ってると言っても過言ではないかも知れません。
しっかりお散歩をしたり、寂しい思いをさせないというためには自宅ベースの仕事が好都合だったんですよね。
(当時はリモートワークなんて言葉もなかったですしね)
もちろん畑は家から少し離れた場所にもありますが、お昼休みには絶対に自宅に戻れるので。
という生活スタイルには農業が割と合っていたということが続けている理由のひとつ。
そして、移住の前年に起きた東日本大震災の影響もあります。
当時、アパレル会社に勤務していたのですがあの地震の後スーパーから食材どんどんなくなっていくのを目の当たりにして自分がやっている仕事って不要とは言わないけれど生きていくためにはなくてもいいいわゆる嗜好品を扱っているんだな~と実感。生きるために不可欠なもの、食べるのが好きだからじゃあ食べ物を作れる農家かなと思ったことがもう一つの理由です。
随分とネガティブなことも書いてしまいましたが、農業自体は素晴らしい仕事ですし農家が増えてくれることは嬉しいことなのでこの先参考になりそうなことをボツボツ書いていきたいと思いますのでご興味があれば覗いてみて下さいませ♪
さて、#01でちょっとネガティブなことも書いてしまいましたがこれから具体的にどうやって就農するかというところへ入っていきたいと思います。
導入に関しては色んなルートがあると思いますが下記の3つが代表的かなと思います。
①農業大学校へ入学
②直接目当ての農家さんへ弟子入り
③農業法人などに勤める
もしかしたら最初から自分で畑探して自力で就農ってのもあるかも知れませんが私の周りにはそういう人はいませんね。
ウチの場合は①の農業大学校へ入学を選びました。
理由はホントになんにも知らなかったのでとりあえず基礎を身につけようと思ったからです。
「長野県農業大学校」というのが小諸市にありましてそこへ入学してその地が気に入って居着いてしまったという訳です。
長野県では「里親研修制度」という農家さんに弟子入りして実地研修をするという制度があります。
急に農家に飛び込むの大変なのでとりあえず基礎を身につけるための「里親前研修」というのが
農大での研修になります。
結果としては農大に行ったことはとても良かったです。
ベテラン農家さんは長年培ってきた経験値でものを考える傾向があるので素人にはちょっとよく理解できないこととか多々あるのですが一応なんとなくでも基礎をかじっておけば「あー、いま言ってるのはアレのことかな?」なんて思ったりもできます。
そして、一番良かった点としは仲間が出来たってことですね。ウチが入学した年は確か研修生は総勢15名ほどだったのですが
そのうちの半分くらいが東信エリアで就農しているので今でも交流があって色々と情報交換したりできてとても助かっています。経歴も年齢も全然違う人とのお付き合いってよくよく考えてみたら今まであんましなかったので新鮮でした。
次に農大で具体的にどんなことを研修するのかに触れていきたいと思います。
最初に野菜、果樹、水稲というようにばっくりとした志望分野を決めますが基本的にはみんなで等しく全般的に学んでいくというスタイルです。
①座学・・・いわゆる勉強的なこと
②実技・・・実際にほ場で作物を育てます
③農家での週2回の実地研修
大きく分けて3つですかね。
①座学は理科の授業みたいな感じですかね。
肥料の3大要素とかPhとかetc...
サス母、当時は久しぶりの学校モードで居眠りばかりしてました💦先生ごめんなさい🙇
➁実技では先生に教わりながらみんなで種まきから管理作業、収穫、出荷までやっていく研修に加えて一人(夫婦の場合は2人に1棟)にビニールハウス1棟と2aほどの路地ほ場を貸していただけてそこで自分たちの好きなものを育てて管理し直売所等に出荷するという研修を行いました。
(その年によって研修生の人数も異なるので借りれる棟数や面積は変わるかも知れません)
自分で育てた野菜ってこんなに美味しいんだ!!って当時はかなり感動した記憶があります。
そして、③農家での研修は先生が当りをつけてくれた研修先リストがあってそこから自分の志望の作物や農法などをやっている農家さんを選んで週に2軒の農家さんに1回ずつ研修に行かせてもらっていました。
サス父母は当時からなんとなくトマトをやりたいな~と思ってたのでミニトマトと馬鈴薯、水稲をやっている御牧ケ原の地場の農家さんと佐久市で大玉トマトと水稲をやっている当時新規就農して5年目くらいのご夫婦のところへ研修に行かせてもらいました。
すごく良かったのは地場の農家さんと新規で始めた農家さんの両方を見れたことでした。
地場の農家さんの勘とか経験則からくる豪快なやり方と新規で始めてロジカルに物事を進めるやり方の両方を実際に体験できたのはその後自分たちが就農するにあたっても非常に大きな助けになったと思います。
あと、①座学ではシーズンオフに農業簿記の勉強なども教えて頂きました。
サス父母も農大に入るまでは新卒で入った会社にずーっといたので当然自分で確定申告したこともないし、簿記なんて全く無
縁でちんぷんかんぷん。その時はよく分からなかったけど実際やっていくうちになんとか身についてきたかなっーって感じです。
その他、そば打ち、味噌づくり、餅つきなど季節の風物詩的な加工実習とかもあったし農大研修部はとても楽しい思い出ですね。
実際、就農してみると楽しいより辛いことの方が多かったりもしますけど、、、。導入が楽しいって大事ですよね!
①就農地を決める
①-1 住居を決める
①-2 農地を決める
②就農計画を立てる
③機械や設備を取得する
ざっと挙げるとこの3つでしょうか。
どれも大事な項目ですが、①②はほぼ同時進行って感じですかね。
就農地の決め方
A.
まずは栽培品目や農法ありきでそれに適した土地を見つけるという考え方。
B.
サス家のように住むところを決めてそこで作りやすいものを栽培していくという考え方。
入り方はAでもBでもどちらでもアリだとは思います。
ただ、ゼロからスタートという場合にはあまりにもこだわり過ぎると物事が前に進みずらいのである程度フレキシブルな思考で対応していかないといけないのかなと思います。